このページでは様々な目の病気についての簡単な説明をします。
症例(3) 緑内障
緑内障とは?
緑内障は眼圧の上昇や、視神経の血行障害などが原因となって、視神経(見たものを脳に伝える神経)が弱って、ものの見える範囲が欠けてくる(視野障害)病気です。
症状は?
初期には自覚症状がほとんどなく、病気に気づかないことが多いです。緑内障は視野障害が生じる病気ですが、見えにくい部分が黒く見えるわけではないので初期には気づかないことが多いです。病気が進行して、見えにくい部分が広がっても、暗い感じがする、運転中見にくい程度の症状のことが多いです。しかし、末期には視力低下も来します。
緑内障の種類は?
1. 原発開放隅角緑内障
眼の中では毛様体で作られる水である、房水が循環しており、線維柱帯から排出されます(図1)。開放隅角緑内障はその線維柱帯が目詰まりをおこすタイプです(図2)。慢性の緑内障で、40歳位から発症する人が多く、成人病の一つともいえます。眼圧が正常である正常眼圧緑内障もこのひとつです。
2. 原発閉塞隅角緑内障
茶目のつけねにある隅角という部分が狭くなり、排出口が塞がれ、房水の流れが悪くなって眼圧が上がり、視神経が障害されるタイプです(図3)。
3. 急性緑内障発作
この発作は、隅角がもともと狭い方に多く、また白内障が進んだ場合も、水晶体が膨れ、隅角が押されて狭くなるために発作が起こりやすくなります。急に目が痛くなったり、かすんだりしたら、必ず眼科を受診してください。
治療は?
一度障害された視神経を回復することはできません、すなわち視野を回復することはできませんが、視野障害の進行を食い止める必要があります。治療の基本は、その眼にとって高くなってしまった眼圧を適切な程度まで下げることです。ここでは頻度の高い慢性の緑内障について説明しますが、まずは点眼薬で眼圧を下げます。点眼薬で十分に眼圧が下がらない場合は、レーザー治療や手術で眼の中で作られる防水の流れをよくしてやり、眼圧を下げます。
図1 房水の循環図
図2 開放隅角
図3 閉塞偶角