このページでは様々な目の病気についての簡単な説明をします。
症例(11) 黄斑円孔
黄斑円孔(おうはんえんこう)とは?
黄斑円孔はカメラで言うとフィルムの役割をしている網膜の真ん中で、視力に最も影響を与える黄斑部(図1)と呼ばれる部分に穴があいてしまう病気です(図2)。
症状は?
視力が下がる、ゆがんで見える、真ん中が黒く見えるなどがあります。
原因は?
眼内の大部分を占めるコラーゲン物質である硝子体は、若いときは網膜の表面に付着していますが、加齢に伴い網膜からはずれてきます。そのとき体質により硝子体と網膜の癒着が強い人は、網膜が硝子体により引っぱられて、網膜が破れて穴が開いてしまい黄斑円孔となります。
治療は?
この病気は自然に治ることはとてもまれで、網膜を牽引している硝子体を除去する目的で、硝子体手術が行われます。当院では日帰り手術で行われますが、網膜に開いた穴を塞ぐ目的で手術の最後に眼内にガスが入ります。ガスを上手に網膜の穴にあてる為にはうつぶせ姿勢を保持することが大切で、自宅ではしばらくうつぶせ姿勢で安静にしていただきます。手術をしないと黄斑円孔は次第に大きくなり、視力障害はある程度まで進行します。
図1 正常黄斑部網膜の断面図
図2 光干渉断層計(OCT)で撮影した黄斑円孔の断層図