加齢黄斑変性について

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加齢黄斑変性について

  • 加齢黄斑変性とは?
  • 原因は?
  • 症状は?
  • 治療は?
  • 予防は?

加齢黄斑変性とは?

加齢黄斑変性は欧米で成人失明原因第1位の病気で、最近日本でも増加し緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性に次いで視覚障害原因の4位となっている病気です。

この病気は網膜というカメラのフィルムのような役割をしている膜の中心部で、ものの細かい部分や色を見分ける働きを持つ黄斑と呼ばれる部分が障害されるため、視野の中心の見たい部分がゆがんだり、不鮮明になったりして視力低下が進み、最終的には矯正視力が0.1以下となり社会的失明に至ることもあります。

日本における患者数は、高齢化が進む日本のモデルである九州の久山町で行われた疫学調査によると、視力が急速に悪化する滲出型は40歳以上の男性の2.5%、女性の0.8%にみられると報告されました。すなわち日本人では男性の方が加齢黄斑変性になりやすく、40歳以上の男性の40人に1人が滲出型加齢黄斑変性にかかっているということになります。

2タイプの加齢黄斑変性

<滲出型>

  • 脈絡膜から新生血管というもろい血管が網膜の下に伸びてきてしまうタイプです
  • 血管から出血や水漏れをおこすことで網膜が障害されます
  • 急激に視力が低下し、治療が必要です

<萎縮型>

  • 網膜の細胞が加齢により変性するタイプです
  • 老廃物がたまり栄養不足に陥る結果、徐々に網膜が萎縮してしまいます
  • 怪我をしたあとの傷跡みたいなもので、進行は緩やかで、急激な視力低下などはおこりませんが、治療方法はありません

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原因は?

加齢黄斑変性は50歳以上のかたに生じることがほとんどで、日本ではもともとはそれほど多くない病気でしたが、食生活の欧米化などに伴い増加したと言われています。

最近では遺伝的因子に、喫煙や肥満などの環境や背景因子が加わることで、発生の可能性が高まると考えられています。

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症状は?

初期には、ものの中心がゆがんで見えます。進行すると、視力が低下し、中心が黒くみえたり、ものの中心がかけて見えたりします。

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治療方法は?

光線力学的療法(PDT)

黄斑部の異常血管である脈絡膜新生血管に集まりやすい光感受性物質という薬剤を腕の血管から点滴して、その薬に反応する弱いレーザーを眼に照射します。それにより新生血管内に集まった薬剤が活性化し、新生血管を閉塞させます。

最初の治療で閉じた血管は、再び開いてしまうことがあるので、定期的に診察や検査をおこない、検査の結果で、必要に応じ、治療を追加します。この治療法の注意点は、光に反応する薬剤を体内に注射しますので、治療後数日は皮膚や眼が日光などに敏感に反応することです。薬の作用がなくなるまで、サングラスや手袋、帽子などで強い光から保護する必要があります。

抗VEGF療法

加齢黄斑変性の発生、進行を促す物質である、血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑える薬物で、加齢黄斑変性からおこる脈絡膜新生血管の活動性を低下させ、退縮させることができます。

この治療は、導入期と維持期に分けて行われます。導入期では、月1回、白目の部分から針を刺入して眼内に薬剤を注射します。眼に注射するというと大変怖いようなイメージがありますが、非常に細い注射針を使いますので、ほとんど痛みはありません。これを3か月間、繰り返します。その後の維持期は、眼の診察や検査で症状をみながら、病気の再発があれば注射を追加します。

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予防方法は?

  • 喫煙しないことは非常に大切です。
  • 滲出型加齢黄斑変性の症状発生の予防のために、サプリメント(亜鉛や抗酸化ビタミン)を服用する場合があります。
  • 食事、運動、ストレス、生活習慣に気を配る。
  • サングラスをかける。

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石川眼科医院での診断、治療の流れ

①	初診:視力検査、眼底検査(眼底カメラ)、光干渉断層計

光干渉断層計は、眼底に光をあてて、眼底、網膜の断層像を画像化する装置です。加齢黄斑変性からおこる新生血管の状態の把握や治療効果の判定に利用されます。撮影は、直接、眼に触れることはなく、造影剤などの薬の投与もなく、フラッシュなどによるまぶしさもなく、短い時間で終わるので、患者さんにとって負担の少ない検査方法です。

②	予約検査:蛍光眼底造影

蛍光色素を腕の血管から注射し、眼底カメラで眼底の血管の異常を検査します。加齢黄斑変性からおこる新生血管の大きさや活動性、新生血管からもれた血液成分がどこに存在するかがよくわかります。

③	治療:病気のタイプにより以下のどちらかの治療を行います

  • 抗VEGF療法(注射)単独治療
  • 抗VEGF療法+光線力学的療法(レーザー)の併用治療

④	治療後定期的な経過観察:視力検査、眼底検査、光干渉断層計

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